petit bonheur

知らなかったこと、知りたかったけどあまり気にしていなかったことなど、ちょっとした知識や情報は、日常生活のエッセンスとなり、ささやかな幸せを生み出すと信じて、日頃見聞きしたへーっと思ったことをまとめています。

親は教えちゃダメ!子どもの国語力を伸ばす簡単な方法

f:id:yhcpp:20230115233547j:image

子どもの国語力、伸ばしてあげたいと思っていますか?

国語は、社会はもちろん、算数や理科など、あらゆる勉強の基礎となるものです。

この国語力の基本となるのは「言葉」。なので、我が子の言葉の力を伸ばしてあげたいと考えている親は多いと思います。

 

麻布中学・高校の国語教諭である中島克治先生のお話しがとても参考になると思うので、感想をまとめたいと思います。

この記事では、子どもの国語力を伸ばすために、親は教えちゃダメ!ということの意味についても考えてみたいと思います。

 

 

 

親が教えるってどういうこと?

 

そもそも親が教えるというのはどういうことでしょうか?

教えるというと、学校やお教室の先生が思い浮かびますね。

親が教えるというのは、親が学校やお教室の先生の代わりをやるということでしょうか?

 

中島先生は、

  1. ドリル学習は意味がない
  2. 大事なのは親との共通体験
  3. 質問にすぐに答えない
  4. 子どもを頭から否定しない
  5. 要は親がコミュニケーションを楽しむこと

と言います。

 

これはどういうことでしょうか?

 

ドリル学習は意味がない

 

まずドリルです。

ドリルにはさまざまなものがありますが、繰り返し問題を解くことによって記憶の定着を促すというものが多いと思います。

時間を測ったり、1枚5分でやりましょうなど速さや効率を求めるものも多いです。

親もこれを真に受けて、早く問題を解くように急かしたり、5分以内でやるように子どもに求めてしまったりしますが、これは子どもからすれば、やらされ感が強いものになってしまいます。

 

中島先生は、

子どもからすればドリル学習はやらされる、仕方なくやる受け身の側面が強いものです。(略)

単なるドリル学習というものは、どうしてもただ覚えること、テストでいい点を取ることに重点が置かれます。そういう学習で得た知識は、子どもにとって「生きた知識」にはならないのです。

と言ってします。

これでは、子どもにとって、勉強が楽しいものにはなりません。

先生が言うように、結果、知識の定着にもならないのであればやる意味がありません。

 

さらに、ドリル学習には、子どもから考える力を奪うという弊害ももたらします。

ドリル学習で速く解く、5分以内で解くために子どもはどうするでしょうか?

答えを覚えてしまうのです。

繰り返し解くことで、ドリル練習は記憶をすることを求め、子どもが考える機会を奪っているのです。

 

この意味でも、先生がドリル学習が意味がないと言っているのも納得できます。

 

では、記憶に走らず、子どもの考える機会を与えて、言葉の力を伸ばすにはどうしたら良いでしょうか?

 

大事なのは親との共通体験

 

先生は、実生活の中での、親とのコミュニケーションと言います。

記事の中では、親子で植物園に出かけたときの親子の会話を例にあげています。

 

「これ、前に図鑑で見たよね?」「どんな花だっけ?」といった会話をする。

図鑑で見た知識を実物と結びつくと言う点が重要なのはもちろんですが、ここで大事なのは、親とのコミュニケーションです。

この親はもちろん「答え」を知っています。でも、親は答えを与えていません。「図鑑で見たよね」と子どもの思考を促しているのです。

 

子どもは図鑑で見て、この花のことは知っています。でも、図鑑と実物がすぐには結びつきません。

ここで親は答えを教えるのではなく、子どもが知っている図鑑の知識を引き出してあげるのです。

大事なことは、親子とのコミュニケーションです。子どもは知っているのです。親がやっているのは、ただそれを引き出してあげるだけです。

 

また、先生は、子どもが美しい夕焼けを見た時の親子のコミュニケーションを例に挙げています。

 

子どもがはじめて真っ赤な美しい夕焼けを見たとき、「綺麗」という言葉を知らなくとも子どもの心はすでに震えています。そして、そばにいる親が「綺麗だね」とつぶやいた。自分の心の震えと「綺麗」という言葉が重なり合う。そんな言葉を忘れるわけがありません。

ここで大事なことは、親は教えていないというとです。

ただ、綺麗だねと言っているだけです。

子どもにとって、自分の感情を言葉で表現することはとても難しいことです。

近くにいる親が、痛かったね、怖かったね、楽しかったね、綺麗だね、と感情を表現する言葉で声かけすることで、子どもの言葉は育っていきます。

親は教える必要はないんです。

 

質問にすぐに答えない

 

そして、先生は、質問にすぐに答えないこともポイントだといいます。

 

答えられることでもあえて答えず、「なんだろうね?」「うちに帰ったら調べてみようか」というふうに答えるのです。

これは、子どもに考える機会を与えるということを言っているのですが、大事なことはそれだけではないと思います。

親が一緒に調べてみようと言ってくれることが子どもには嬉しいんです。

親も知らないことがあるんだということが、子どもにとって安心感も与えるんです。

こうして、子どもは知らないことを知るということに安心を持って取り組むことができます。

ここがいちばんのポイントだと思います。

 

子どもを頭から否定しない

 

そして、この時に大事なことは、子どもを否定しないことです。

例えば、子どもが質問してきたときに、どう答えていますか?

先生はこう言っています。

 

子どもの言葉が間違っていると思っても否定してはいけません。また、子どもの言葉に親が本当に驚かされることもあるでしょう。

子どもが、質問してきたときに、「お母さんも気づかなかったなぁ。すごい」と言われたら、子どもどんな気持ちになるでしょうか?

子どもは、親が驚いている様子を見て、優越感を得ることができます。これが自信に繋がっていきます。

ここが大事なポイントで、子どもに対して、親が驚くこと、子どもに敬意を払うことが、子どもが自ら行動することにつながっていきます。

 

要は親がコミュニケーションを楽しむこと

 

そして、親のコミュニケーションが重要と言います。

 

子どもは「教えてもらっている」と思うと受け身になってしまい、学びに対する積極性を失います。

親は教える必要はないんです。

子どもの能力を信じて、言葉を引き出し、感情に寄り添い、そして子どもの大人にはない発想や能力に驚いてみせる。

そういう親の姿勢だけで、子どもは自発的に行動するようになるということです。

 

教えるではなく、引き出す子育て、やってみませんか?

 

最後までお読みいただきありがとうございました。